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Details of the book書籍詳細

脱領域・脱構築・脱半球
二一世紀人文学のために
  • 惑星的批評眼を持つ総勢50名の欧米文学者たちが、
    研究領域を〈越境・逸脱〉して俯瞰する知のハーモニー!
    著者・訳者
    監修:巽 孝之プロフィール
    編著:下河辺 美知子プロフィール
    編著:越智 博美プロフィール
    編著:後藤 和彦プロフィール
    編著:原田 範行プロフィール
    ジャンル 人文学/評論、英米文学/評論
    出版年月日 2021年10月1日
    ISBN 978-4-909812-70-4
    判型 A5判上製
    ページ数 554
    定価 本体4,800円+税
    在庫 在庫有り

    惑星的批評眼を持つ総勢50名の欧米文学者たちが、
    研究領域を〈越境・逸脱〉して俯瞰する知のハーモニー!
    本書は、人文学の未来へのメッセージである。

    「本書を「脱領域・脱構築・脱半球」と名づけたのは、あと十年もすれば生き証人が激減するかもしれないここ半世紀ほどの人文学的展開を、ともに歩んできた友人たちと共に再確認しておきたいと希望したためである」(巽孝之)

    ====================

    ◎本書を構成する切り口:

    【特異点としてのアメリカ】【感受性の在りかとしての身体】
    【人文科学が戦争にむきあうとき】
    【批評というパフォーマンス】【限りなく地球的な交響】【代表的批評家30:交響する理論】

    はじめに:人文学の未来と批評的想像力(巽孝之)

    第一部  特異点としてのアメリカ

    第一章 異性愛の桎梏
        ——サムソンとデリラをめぐるアメリカ的系譜学(舌津智之)

    第二章 アサイラム・ファミリー
        ——『七破風の屋敷』における家族・国家・未来(古井義昭)

    第三章 文学するニューヨークのイギリス詩人
        ——W・H・オーデンの「見るまえに跳べ」を読む(圓月勝博)

    第四章 一七六〇年五月一日のトマス・ブレイ協会月例会
        ——サミュエル・ジョンソンのアメリカ(原田範行)

    第二部 感受性の在りかとしての身体 

    第五章 幽霊のゆくえ
        ——ヘンリー・ジェイムズの超自然小説(水野尚之)

    第六章 錯乱のコズモポリス
        ——『マーティン・ドレスラー』における
           ポストヒューマン的身体としての「ホテル」(渡邉克昭)

    第七章 ウィリアム・ゴドウィンのゴシック小説再考
        ——理性と感受性のあいだ(小川公代)

    第八章 崇高な「気持ちの悪さ」
        ——ジェイムズ・ジョイス「イーブリン」の
          体調不良をめぐって(阿部公彦)

    第三部 人文科学が戦争にむきあうとき

    第九章 被害者と加害者のあいだで
        ——第二次大戦小説としての『スローターハウス5』(諏訪部浩一)

    第一〇章 ブラック・アトランティックへの船出
        ——第一次世界大戦とイーディス・ウォートン(新田啓子)

    第一一章 ツインタワーの幻影
        ——ジェイ・マキナニー『グッド・ライフ』における
          「対」のモチーフ(渡邉真理子)

    第一二章 「南部史のアイロニー」と太平洋戦争
        ——C・ヴァン・ウッドワードと南部ルネッサンス(越智博美)

    第四部 批評というパフォーマンス 

    第一三章 幸せになるために
         ——POEtic Principleの行方(池末陽子)

    第一四章 現前する無の唯物論
         ——「ポスト」に抗う文学批評のために(遠藤不比人)

    第一五章 「文学性」の概念をめぐって
         ——ポール・ド・マンと文学研究の終焉(大河内昌)

    第一六章 誰がために批評家は語るか
         ——「趣味の共同体」から〈わたしたち〉の再創造へ(中井亜佐子)

    第五部 限りなく地球的な交響 

    第一七章 デフォー『ペストの記憶』とカント『地震論』
         ——大災害と世界観の変容(黒崎政男)

    第一八章 女・性と歴史
         ——『響きと怒り』と『或る女』より(後藤和彦)

    第一九章 一九世紀アメリカ空間を二一世紀に分析する
         ——『ピエール』における場所の喪失(下河辺美知子)


    【代表的批評家30:交響する理論】
    Sacvan Bercovitch: アメリカの象徴を読み解くThe American Jeremiad (佐久間みかよ)

    I. A. Richards: 方法としての「実践批評」(町本亮大)

    F.O. Matthiessen: キリスト教信仰と社会主義との交錯 (高尾直知)

    William Empson: 帽子からウサギを出す(David Ewick)

    Cleanth Brooks: 聖なる壺としての文学、あるいは精読のツボをもとめて(石川大智)

    Roland Barthes: 可能性のエクリチュール(野崎歓)

    Leslie Fiedler: 人種関係から読み解くアメリカ文学 (辻秀雄)

    Leo Marx: アメリカの楽園志向と自然征服の矛盾 (宮脇俊文)

    Paul de Man: アレゴリカル・アポリア (土田知則)

    Michel Foucault: 文学と知の言説 (小倉孝誠)

    George Steiner: 二十世紀批評の極北 (高山宏)

    Jürgen Habermas :討議する哲学者、18世紀と現代をつなぐ (若澤佑典)

    Jacques Derrida: 「われらの困難」 (鵜飼哲)

    David Lodge: 散文の襞の紋様 (田中裕介)

    Tony Tanner: 文学批評におけるマクスウェルの悪魔 (波戸岡景太)

    Edward Said: 日米マイノリティ言説と「旅する理論」としてのオリエンタリズム (中村理香)

    Shoshana Felman: 誘惑する批評 (鈴木英明)

    Michael Gilmore :アメリカン・ルネサンスの継続する闘争を豫言する (伊藤詔子)

    Gayatri Spivak :批判的地域主義としての惑星思考へ (岡和田晃)

    Werner Sollors :人種・エスニシティ・言語的多様性に注目したキャノンの再構築 (有光道生)

    Stephen Greenblatt:「新歴史主義」から新評伝研究へ (井出新)

    Terry Eagleton :文化革命の感情構造 (大貫隆史)

    Jonathan Culler :力(フォース)のフォルマリスト (折島正司)

    John Carlos Rowe: 歴史を解体する視線 (松井一馬)

    Barbara Johnson: 脱構築とブラック・フェミニズムの出会い (佐久間由梨)

    Cathy Davidson :革命を読み、革命を起こす (田辺千景)

    Shelley Fishkin :一通の手紙が変えた文学研究 (里内克己)

    Judith Butler :予め喪われたものへの愛について (貞廣真紀)

    Paul Giles: トランスナショナリズムからグローバリゼーションを超えて (竹内勝徳)

    Wai Chee Dimock :自由の帝国からディープな惑星へ (牧野理英)
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    あとがき  下河辺美知子

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