• 小鳥遊書房

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Details of the book書籍詳細

新刊
「記憶」で読む『鬼滅の刃』
  • 記憶研究を専門とする文学研究者が
    真剣に読み解く『鬼滅』論!
    著者・訳者
    著者:三村 尚央プロフィール
    ジャンル 文芸、サブカルチャー、漫画論
    出版年月日 2024年2月28日
    ISBN 978-4-86780-038-6
    判型 四六判並製
    ページ数 248ページ
    定価 本体2,200円+税
    在庫 在庫有り
    戦いの合間でさえ、人間も鬼も自分の過去をしばしば思い出す。
    そう、『鬼滅』は過去の「記憶」をめぐる物語なのだ。
    「回想」「走馬灯」「時間(過去・現在・未来)」などを鍵に、
    「細胞の記憶」や「先祖の記憶」など物語独自の概念にも着目。


    記憶研究を専門とする文学研究者が
    真剣に読み解く『鬼滅』論!
    ===
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    序章 『鬼滅』と記憶

    漫画技法と「時間」/本書の読解の基本姿勢

    第一部
    「時間」と「記憶」の芸術作品としての漫画『鬼滅の刃』

    第一章 漫画研究と「時間」と「記憶」

    他のメディアとの比較類似点と相違点/ 漫画のコマのなかの「動き」と「時間」/
    漫画を読む行為の中で流れる「時間」

    第二章 「回想の物語」としての『鬼滅の刃』 炭治郎立志編(那田蜘蛛山まで)

    はじまりにすべてが/ 時間(歴史)の広がり藤襲山での最終選別と「手鬼」/
    鬼たちの特徴/「縛る」鬼と、「繋ぐ」人間たち vs 下弦の伍・累/ 走馬灯

    第三章  過去を語る技法としての夢と幻、そして記憶—無限列車編

    人の原動力としての「心」煉獄杏寿朗

    第四章  繋がれる記憶 遊郭編 vs 上弦の陸・堕姫、妓夫太郎

    第五章  遺伝する記憶 刀鍛冶の里編 vs 上弦の肆・半天狗、伍・玉壺

    「わざ」を繋ぐ/走馬灯/時透無一郎の「記憶」の回復/
    過去の記憶を取り戻す時透/他者への気づかいの目覚め/
    悪口の「わざ」/「夢」と「記憶の遺伝」/結語

    第六章 最後の戦い(一) 柱稽古〜無限城へ
         vs 新上弦の陸・獪岳、vs 上弦の参・猗窩座

    柱稽古編
    消えない痛みの記憶

    無限城へ
    珠世の血鬼術

    善逸vs新上弦の陸・獪岳
    「物語」の継承と変容呼吸法の伝承とその派生

    炭治郎、冨岡vs上弦の参・猗窩座
    未来に向けて振り返る「透き通る世界」への覚醒/
    猗窩座の懐古と郷愁/人間に「生まれ変わる」/「語り直す」ことで生まれる力

    第七章 最後の戦い(二) vs 上弦の弐・童磨 vs 上弦の壱・黒死牟

    上弦の弐・童磨 vs 胡蝶しのぶ、栗花落カナヲ、嘴平伊之助

    「自分以外の誰か」のために胡蝶しのぶ/ 心(感情)を燃やせ栗花落カナヲ/
    思い出の再構築伊之助と「ゆびきり」の唄

    血筋という縛り上弦の壱・黒死牟
        vs時透無一郎、不死川実弥、悲鳴嶼行冥、不死川玄弥 

    細胞の末裔/血筋の繋がりと本当の絆/対照的な双子たち/兄弟の確執

    第八章  最後の戦い(三) vs 鬼舞辻無惨、鬼の王、すべての終わりに

    鬼舞辻無惨 vs すべての人々

    不変 vs 変化/「古の記憶」ふたたび継国縁壱/
    思いを「繋ぐ」ヒノカミ神楽の「十三番目の型」/「はじまり」の記憶

    まとめ「手」を「繋いで」、「家」に帰る

    ただ生きのびることへの執念—鬼の王/刮目して「見る」/
    遠いものの近さ/繋ぐ「手」/


    第二部
    作品にちりばめられたテーマたち

    繋がりと縛り

    ◎「糸」と「手」

    ◎「血」の強さと縛り

    〈記憶や想いの継承〉

    ◎鬼の細胞に刻まれる「記憶」

    ◎まねびによる継承—叙述(ナラティヴ)の変奏

    ◎夢と古(いにしえ)の記憶集合的記憶の場として

    ◎死者との対話と魂の実在

    ◎記憶の媒体(メディア)身体、物品

    ◎伸び縮みする「時間」無意志的記憶と走馬灯

    ◎「兄」として

    ◎「人」として生きる

    ◎侍自分ではなく、誰かのために

    ◎「心を燃やせ」燃えている「心」とは一体何なのか

    終 章  記憶とは何か

    1 記憶と身体
    2 想起のきっかけ(トリガー)と無意志的記憶
    3 走馬灯
    4 改変される記憶と夢
    5 変化する記憶の叙述(ナラティヴ)
    6 記憶の重ね合わせと虚偽記憶(フォールス・メモリー)
    7 記憶の叙述の再解釈
    8 他者の記憶を共有する集合的記憶
    9 記憶の遺伝と集合的無意識

    あとがき 物語の記憶を閉じる

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