「WAWAWAAAH! 実に憎むべき悪魔じゃアよ……」
日常という名の虚偽に人一倍敏感だった坂口安吾は常に自分の現実を物語に変容させた。
そう、安吾のファルスは現実を一度完全に解体してナンセンス化し、再構成する知性の働きが秀逸なばかりでなく、
不条理でありながら拒絶よりも許容する雅量が光っているのだ。
急き立てられるように書き続け、陶酔と分析、あくまで解剖する視線を失わない孤独の深淵を描いた作品群に、耽溺したい!
【収録作品】
風博士
帆影
霓博士の廃頽
群集の人
Prérre Philosophale
傲慢な眼
西東
金談に絡まる詩的要素の神秘性に就て
女辻占師の前にて
紫大納言
風人録
真珠
魔の退屈
私は海を抱きしめていたい
死と影
不良少年とキリスト
桜の森の満開の下
《解説》花を散らしてファルスの風吹く(長山靖生)
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